20代のころ、ダメな役者だった。
頭が悪くて、臆病で、疑り深い。とにかく、体が不器用だった。
役者とかダンサーとか、体を使って表現する人は運動神経とか空間把握とか身体能力が優れている。
私は、そのどれもが平均以下だった。
踊れば人とぶつかって怪我人が出るし、どの位置にいたか分からなくなるから、狭い舞台で迷子になっていた。
トリ目で暗転すると全く見えず、明転したら全然ちがう場所に立っていたこともある!!
暗闇で小道具の帽子をつかめないため、蓄光シール(暗闇で蛍光に光る目印シール)を貼りすぎて、怒られたこともある。
「帽子のまわり全部に貼ったら、暗闇で輪っかが飛んでるように見えるでしょ!!」
確かに・・・。
撮影でも「カメラはこの位置だから、手をここまで上げる」と、何度もリハーサルしたのに、絶対に本番で画角から外れてしまう。
ブスだ馬鹿だと言われているうちに、もはや生きてるだけで精いっぱい。
セクハラもパワハラもモラハラも、いっしょくた。
・・・・・不思議だ、なんであんなに長い時間、役者をやっていたのか。
書き始めてから知り合った人と、役者時代の知り合いは、私の印象がずいぶん違う気がする。
最近も、昔の私には言われそうにもないことを言われた。
「熱血漢ですね」
熱血漢って、昭和の劇画みたいな感じですか?
嫌いじゃないんですけど、そこまで根性ないっていうか。
言い訳してみたけど、出来もしない恥をさらして生きてこれたのは「熱血漢」だから??
熱血漢の意味を取り違えて、いま、全国の熱血漢の人が怒ってるかもしれない!ι(`ロ´)ノ
とりあえず、調べました。
※本来の意味は
「感動しやすく熱烈な意気と情熱をもって事に当たる男子」
「正義感が強く情熱的な男」
え・・・・男子?男?